学会開催のご報告

第14回消化器病における性差医学・医療研究会(樋口和秀教授当番世話人)
 

  • 去る2018年8月3日−4日に第14回消化器病における性差医学・医療研究会が樋口和秀教授当番世話人の元で開催されました。今回から消化器病における性差医学・医療研究会は日本高齢消化器病学会総会と同時開催されることとなり、第14回消化器病における性差医学・医療研究会は佐賀大学消化器内科藤本一眞教授が当番会長をされました第21回高齢消化器病学会とホテルグランデはがくれ佐賀で同時開催されました。性差医学・医療研究会は、性差という生物学的特性からのアプローチによる消化器病における病態治療に関する研究がメインの研究会で、性差医学の始まりは、1957年に米国の女性ジャーナリストのバーバラ・シイーマンが女性の健康を守る運動の開始からと言われています。1985年の米国NIHのブラント医師による女性特有の病態研究や1994年FDAは「薬剤の治験では半数に女性を含むことを推奨する」という通達を元に、1995年にFDA内にOffice on Women’s Healthが創設などの動きの中で、本邦で2004年に天野恵子先生が代表世話人になられて「性差医療・性差医学研究会」が設立されたのと同時期に「第1回消化器病における性差医学医療研究会」が開催され、現在にいたっています。
    8月3日17時30分からホテルニューオータニ佐賀で日本高齢消化器病学会理事会が開催されそれに引き続き、合同懇親会が佐賀市内で開催されました。この懇親会には日本高齢消化器病学会理事、消化器病における性差医学・医療研究会の世話人の先生方に加え及び佐賀大学と大阪医科大学のスタッフが集いました。
    当日8月4日は朝8時30分から代表世話人川崎医科大学消化管内科教授塩谷昭子先生のご挨拶世話人会が行われ、9時から樋口教授の開会のご挨拶に引き続き研究会が始まりました。スポンサードセミナー1が横浜市立大学肝胆膵消化器病学教授の中島淳教授に「便秘症の病態、診断と治療〜性差の観点から」、スポンサードセミナー2は大阪市立大学総合医学教育学の森村美奈准教授に「女性のライフサイクルと腹部症状」、ランチョンセミナーとして京都府立医科大学消化器内科准教授内藤裕二先生に「日本人の町内細菌叢解析から見えてきま健康長寿の秘密:性差はある?」と性差に関係した内容でご講演頂きました。その他にはシンポジウムは「性差を考慮すべき消化器疾患の病態と治療」というテーマで4演題、一般演題が8演題でありました。シンポジウムはまず東京女子医科大学の谷合先生から「NAFLD/NASHにおける性差」について、私大阪医科大学の増田は、「胆膵疾患と性差についてー特に分枝型IPMNの経過観察例の検討―」、大阪医科大学小嶋先生の「難治性胃食道逆流症に対する漢方治療と性差」と、最後のツムラ漢方研究所の名畑先生の「ストレス性摂食低下モデルマウスにおける加齢・性差の影響と六君子湯の作用」が漢方治療と性差についての発表であり、興味深い内容でありました。一般演題も合計8題発表頂き、大阪医科大学の小嶋先生はシンポジウムに加えて発表して頂きました。最近話題の腸内細菌と性差に関する演題や、性同一性障害患者に対する診療についての発表も見られました。
    当日の参加人数は約100名を超え、高齢消化器病学会との合同で盛況な研究会となりました。
第14回消化器病における性差医学・医療研究会
 

© 2nd Department of Internal Medicine, Osaka Medical and Pharmaceutical University . All rights reserved.
大阪医科薬科大学 第2内科(消化器内科) 〒569-8686 大阪府高槻市大学町2-7 Tel: 072-683-1221 E-mail: ninaika@osaka-med.ac.jp